イギリス渡航 備忘録
Last update: 16 Mar. 2021
【注意】
- これは私が2020年に9ヶ月英国のHullに滞在した際のことを書いたほぼ自分用の備忘録です.
- ここに書いてある内容はその際に私が体験したり感じたあくまでも主観的なものであることをご理解ください.
- 内容を追加・修正することもあると思います
【私の今回の渡航に関する基本情報】
- 英国のKingston upon Hull(通称Hull)に約9ヶ月間滞在
- 渡航期間は2020年2月下旬~12月初旬(なおそのうち計4ヶ月間くらいはロックダウン)
- 渡航目的はUniversity of Hullでの共同研究
【Kingston upon Hullについて】
(Wikipedia「キングストン・アポン・ハル」)
- 電車でロンドンから3時間,マンチェスターから2時間ほどの場所にある地方都市
- 人口は26万人くらいらしい
- East Yorkshireと呼ばれる地域にあり,日本でいえば東北地方のような感じ(?)
- なお住んでいる日本人は知っている限りで我々家族以外に5名くらい(滞在時)
【ビザ】
- Academic Visitor Visaで渡航
- 詳しくは別のページにまとめたのでそちらを参照
- なお,ビザの申請時にBRP(滞在中の身分証明書のようなもの)の受け取り場所を指定する.郵便局か大学などで受け取れる.私は大学で受け取ったがちょっとめんどくさかった.郵便局の方がスムーズかも.
【生活関連】
<家探し>
- まずは必ず現地の知り合いなどに相談すること.これはイギリスだけではないと思うが地域によってかなり住民の雰囲気(+治安)が違う.
- イギリスの場合,ネットの賃貸情報はZooplaやRightmoveなどが物件が多くて調べやすい.
- 私の場合子供の学校に近いことが重要だったのでOfstedと呼ばれる学校の評価を参考にしながら地域を決めた.
- なお,家賃は日本のように駅に近いとかそういうことでは決まらず,良い学校の近くは家賃が高い(あるいは因果が逆?)とかそんな感じ.車社会なので必ずしも交通の便などは家賃に関係しない.
- 渡航2ヶ月前くらいから調べ始めるも他の準備に手間取って決まらず.1ヶ月前になってから実際に問い合わせをはじめた.
- 私の場合9ヶ月の滞在ということもあってベッドなど最低限の家具がある物件を探したが,「Furnished」と書いてあってもその内容はさまざまなのでメールできちんと問い合わせた方が良い.
- 結果オーライでいいフラット(アパート)と地域に住めたが,地域によって全然雰囲気が違うので実際に行って決めたほうが良い.本当に一本通りが変わると全く違ったりする.
<契約>
- 基本的に下見をしないと借りれない.私の場合知人にお願いして代わりに下見をしてもらってなんとか借りれた.
- 渡航前にdepositの他に半年分の家賃を振り込んだ.(怖かったが背に腹は変えられず)
- (家が決まらないと荷物の送り先がないので焦ったが,荷物を預けられるstrageサービスなども各地にあるのでそれを考えてもよかったかも)
<荷物(日本→英国)>
- 郵便局から送った.
- 内容物をそれぞれの数量と重さに分けて書く必要がある.ものすごく面倒.
- 合計金額が高いと関税を払う必要が出る(らしい)ので注意が必要.また,「Personal use」などの記載は必須.このあたりの詳しい情報はネットにいろいろあり.
- ホームセンターで買える少し高い丈夫なダンボールを買って使ったほうが良い.我々の場合,届いた時に値段の差ははっきり出ていて,安いダンボールは届いたときにはボロボロになっていた.周りをビニール系のテープでぐるぐる巻きにすると効果的.
<入国>
- マンチェスターから入国.ビザを見せるだけでとくに何も言われず.
- ちなみに私が入国した時(2020年2月26日)は新型コロナはアジアが感染の中心で今後ヨーロッパでも広がるかも,というタイミングだったので入国時に何か言われるのではないかと心配したが大丈夫だった.
- なお,飛行機の預け荷物だけ遅れて数日かかった(ロストはしなかった).手荷物に最低限の下着などを入れておくことは大切.あと,必要な服などの購入はクレジットカードの保険などが効く場合があるので調べておくと良い.
<生活開始>
- 最初はホテル住まいをしながら通販などで必要なものを発注.主にArgosやAmazonを使用.
- ただし通販は時間指定ができないことが多いので一日中家で待つ覚悟が必要.
- ホテルに洗濯設備がなく,近くにコインランドリーもなかったため苦労した.Airbnbなどで洗濯機付きのところに泊まるべきだった.
<転入などの手続き>
- 転入などCouncilに関する手続きは全てサイトからオンラインで可能.一度も市役所には行かなかった.というか市役所がどこにあるのかすら結局知らない.
- Council tax(市民税みたいなもの?)は家や部屋の大きさのランクで決まる.
- Council taxはクレジットカードで支払い可.基本1年分まとめて払うようだが月払いも可.
- なお,Council taxは住んでいた間の分だけの支払いでいいみたい.過払い分はクレジットカードを通して返金された.
<子供の学校(Primary school)>
- 市のサイトからオンラインで希望する学校への転入を申請する.
- 本当は学校に見学してから入学するのだと思うが,我々は新型コロナの影響で断られ,見学なしで入学.
- (なお我が家の場合,新型コロナの影響で結局入学できたのは9月の新学期からだった)
- イギリスは日本と義務教育の年齢が異なる.うちの子(5歳)は日本だと幼稚園年長だがイギリスではPrimary schoolの(たしか)2年生
- うちの子は英語が全くできなかったがなんとかなった.入った学校は地元の普通の公立校だったが,移民の子も多いためか先生も英語ができない子に慣れているため特に問題なかった.
<公共料金>
- うちの場合,ガスと電気は同じ会社が供給していて,自分で時々メーターを読んでネットから登録
- 水道はよくわからなかった.3ヶ月に一回くらい?通知が来てまとめて払う
- テレビがある場合BBCを含むTV受信料を払う必要あり.それなりに高い(が,ロックダウン中子供番組でお世話になっていたので仕方がない).
- 全てクレジットカード支払い可.銀行引き落としだと割安になる.
<医療>
- GP(かかりつけ医のようなもの)の登録が必要.この登録だけはなぜかオンラインでできず,病院に行って用紙をもらって書き込む必要があった.
- GPの登録でNHS numberを書く欄があるが,我々は持っていなかった(Academic Visitor VisaはNHSに加入できない)ので空欄のまま提出.
- 結果,問題なくGPの登録ができて,GPの登録とともに(加入してないのに)NHS numberももらえた.
- ちなみにNHSに入っていないのだが子供の医療費は無料だった(これは本当にそうなのか謎だが,病院で聞いても無料だと言われて請求されなかった).
- さらに子どもに関してはインフルエンザの予防接種も無料だった.学校に行っている場合には学校で受けられる.
- 2020年は新型コロナのこともあってインフルエンザワクチンが足りなく可能性があるためできなかったが,本来は大人も大手の薬局で予約してインフルエンザの予防接種をできる,らしい.
- なお基本的にイギリスの人はよほどのことでない限り病院に行かないらしい.行きたくても大人の場合予約を取って受信できるのが数日後だったりすると言われている.このあたりの情報はネットに豊富にあるので読んでおいたほうが良い.
- ただ,子供に関することや緊急の場合にはすぐ見てくれる.子供がいる場合には地域の子供専用の緊急外来などを調べて置いが方が良い.
- (余談だが,子供が頭を切って出血したとき,私はこの子供用外来を全然知らずあたふたしたが,通りがかりの人が助けてくれて車で連れて行ってくれた.本当に親切な方で助かった.)
【帰国】
- UK全土でロックダウンの中帰国.
- 羽田空港からは指定のハイヤーで帰宅
- (余談だが空港の検査で唾液を出すが,そのために梅干しやレモンの絵が書いてあるというのは本当だった)
【その他】
- 当たり前だが「たびレジ」や「オンライン在留届」の登録はしたほうが良い.
- 結局銀行口座はつくらなかった(つくることも考えたが渡英してすぐにロックダウンだったのでできず).ほとんどの支払いはクレジットカードででき,振り込みでの支払いが必要な場合は日本の銀行のネットバンキングとTransferWiseを駆使して振り込みをして事足りた.
- クレジットカードは重要.もともとほとんどの支払いの場面でカードが使えたが,新型コロナの状況下ではそれが更に進んで現金では買い物ができない店もかなり多くなった.
- 特にタッチレスは便利.バスの会社によっては現金ではお釣りが出ず,タッチレスのカードじゃないと支払えないところもある.
- カードの種類としてAMEXが使えない場面が多かった(ネットも実店舗も).VISAとMasterはまず使える.
- これはイギリスに限ったことではないが,あるカードがなぜか通らないという場面は結構あるので複数もっておくことは必須.
- 紙幣に関して,50ポンド札は使えない店が多い.というか使える店はごく限られると思っていたほうが良い.両替の際にはできる限り少なくしてもらうようにした方が良い(私はそれを知らずに50ポンド札ばかりでとても困った).
- 家のトラブルはとにかく多い.これは私が借りたフラットだけではないらしい.我が家の場合は,
- 風呂場の換気扇故障
- 風呂場のシャワーの故障
- 下水が別の場所の床からしみ出てくる(これはもうあきらめた)
- 浴室などの壁にカビ(これもあきらめた)
- 建物の共用玄関の鍵の故障
- テレビが見れなくなる(うちだけではなく地域で)
- 停電(これもうちだけではなく地域で.たまにあるらしい)
- スーパーのデリバリーがとにかく便利.私の場合はテスコを利用したが他のスーパーもやっている.
- 家のインターネット回線に関してはHullというところは特有で,KCOMという会社ほぼ一択.必要に迫られて加入したが,借りた家はADSL回線しか契約できず,ものすごく遅く不安定だった.
- なにか問い合わせをしないといけない時,多くの場合,電話ではなくメールかオンラインチャットでの問い合わせができる.
- 残念ながらイギリスにも花粉症はある
- Hayfeverという
- クラリチンはスーパーで買える.ジェネリックはとんでもなく安い(14日分が1ポンドしなかったりする).ただし副作用が強かったり(個人の感想です)いろいろあったのでちょっと高くても正規のを買うようにした.それでも安い.より強い薬は処方箋が必要になる(と思う).
- 普段買う物の物価としては,ものすごく高いとかは無かった.日本と同じか安いのは,
- チーズなど乳製品(ものすごく安い)
- パン(安い)
- 果物(安い)
- 野菜(同じくらい)
- 肉(やや安い?)
- ビール(日本に戻れなくなるくらい美味くて安い)
- 日本食関連の食材は,街に中華食材店があれば大抵のものは手に入る.米は我々の場合Amazonで買っていた.
- 手に入りにくいもの
- 飛び出すタイプではないオーブントースター(まず手に入らない.似たものとして電気式のミニオーブンと呼ばれる物があるが高い)
- ドリップコーヒーのための道具(Amazonで手に入るが高い)
- 大根(見たことがない)